第81回 顔学オンラインサロン開催報告
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2026年7月21日(火)
「感性とウェルビーイング―幸せな顔の未来を考える」
話題提供者 都賀美有紀氏(関西学院大学特任助教)
今回の顔学オンラインサロンは、顔学会関西支部研究会の主力メンバーであり、関西学院大学工学部感性価値創造インスティテュート特任助教の都賀美有紀生に「感性とウェルビーイング―幸せな顔の未来を考える」と題し、感性とウェルビーイング、そして「顔学」との接点について感性工学の観点からお話しいただきました。
都賀先生は、感性を階層構造として捉え、研究されてきました。具体的には、香りの感性の可視化や、時系列評価に基づくハンドマッサージセラピーの感性価値構造、温水洗浄便座の洗い心地の因子とタイプ分析など、日常生活の中で私たちが、「心地いい」と感じるもの、ことを可視化し、数値化されています。
感性研究は、私たちが、「わくわくする」「素敵」「心地いい」と感じる気持ちの本質「感性価値」を探求し、高付加価値化、個人最適化によって社会ロスの低減に繋げ、SDGsやウェルビーイングの向上を目指すことを目的としています。本日のご講演では、その中でも、感性研究が目指すビジョンである「幸せな顔にあふれた社会」を中心にお話くださいました。
幸せ(Happiness)とは、非常に多義的で曖昧な言葉であり、その起源をたどれば、古代ギリシャ時代のエピキュロスによる快楽主義、アリストテレスによる理性主義にまでさかのぼります。しかし、20世紀後半には、この多義的で曖昧な「幸せ」(Happiness)が、ウェルビーイング(Well-being)として研究可能なものになりました。とりわけ、近年はお金やモノといった地位財から幸せや健康などの非地位財へと価値観が変化していることもあり、ますます研究への関心が高まっています。
また、より発展的なウェルビーイングの捉え方として、持続的幸福:Flourish(フラリッシュ)には、感情的側面、感情と認知の混合的側面、認知的側面に加え、達成的人生やポジティブな関係性も加えた5つの要素(PERMA)が、不可欠であると考えられるようになりました。
これらの要素を「幸せな顔」でイメージしてみると、笑顔、満ち足りた顔、穏やかな顔、いきいきした顔、温かな顔、誇らしげな顔など多様性に満ちた顔(表情)であり、これからの社会が目指すゴールが多様であること、多様なウェルビーイングであることがわかります。
都賀先生ご自身も近年は、多様なウェルビーイングと感性をテーマにされており、①幸せを感じるお風呂②幸せを感じる住まいという二つのご研究を紹介くださいました。それらの研究からは、幸せのかたちが異なるだけでなく、何によって幸せに至るのかも異なるという、まさに多様なウェルビーイングと感性が浮き彫りになりました。
最後に、個人差による多様性とさまざまなつながりによる多様性、感性研究の「2つの多様さ」の視点から、多様なウェルビーイングと顔についてお話されました。
ウェルビーイングの「多様さ」をキーに「私らしい」本来感を媒介とした「感性の個人最適化」で顔に接続する、すなわち、顔から感じている感性を推定し、個人の感性に合った提案をすることで、ウェルビーイングをさらに高められるのではないかという提案がありました。
幸せな顔であふれた社会とは、様々な幸せ、自分らしい幸せに至る多様な道筋を持てる社会であり、多様な幸せがそれぞれの顔にその人らしく現れる未来を、感性の個人最適化で目指すことができるという先生の言葉が大変印象に残りました。
近年、よりパーソナルな化粧方法の提案や、「多幸感メイク」が流行しているのも、人々が幸せな顔で満ちあふれた社会を自然と希求していることの現れなのかもしれないと実感したオンラインサロンでした。
記:米澤 泉

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関西支部でのご発表の時に続き、ウォシュレット(今回は+バスルーム)から感じるウェルビーイングのお話がとても面白かったです。ありがとうございました。