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第69回顔学オンラインサロン開催報告

更新日:2025年10月3日

2025年6月3日(火)

「顔の表象 - 魂を描く -」

話題提供者:尾崎彰宏氏(東北大学総長特命教授)


最初に西洋絵画における「顔」について概要が述べられました。古代ギリシアからキリスト教の中世では、神話、宗教の中で「神の顔」が描かれ、顔は内面を映す「鏡」や「窓」の機能が備わっていました。その後、ルネサンス頃から顔は「神の世界」から「人間の世界」に降りてくる、つまり「人間の顔」が描かれ、盛期ルネサンスではさらに人間の内面が描かれ、続くバロックでは内面性を掘り下げて描こうとしました。まさにその17世紀にレンブラントは登場します。レンブラントは油画や版画、ドローイングを含めると優に100を超える自画像を残しました。レンブラントの油画を中心に自画像を読み解き、そこに備わったレンブラントの魂を解き明かそうとされるご研究でした。


レンブラント、自画像、1628 頃、アムステルダム国立美術館


レンブラントの描く顔は魅力的です。自画像は何を問いかけているのでしょうか。1628年の《自画像》(アムステルダム国立美術館)はとりわけ印象深いものでそこにある表現や明暗について多く語られました。その後もレンブラントが用いた明暗法は感情表現の基本で自画像から物語を感じさせる手段となり、つまり自画像が歴史画(時代の物語を紡ぎ出す絵)にもなっていたということです。喜怒哀楽をダイレクトに表現したエッチングによる自画像では表情研究に勤しみ、ルーベンスやティツィアーノらその時代の巨匠の図像から触発された自画像もあり、そこから学び取りやがてレンブラント独特の自画像になっていきます。興味深かったのは、レンブラントの自画像自体がパトロンやコレクターに求められ、贈与されたり販売されたりする対象でもあったということです。先生の長年のご研究の厚みが滲み出るレンブラント論に、あっという間に時間が経ち、いつまでも伺っていたい気持ちになりました。


レンブラントの自画像はこちら↓ インターネット美術館


記:宮永美知代




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