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第33回美人画研究会報告/参加の橋本憲一郎さん感想




 2024年7月28日(日)に、第33回美人画研究会を開催いたしました。猛暑の中、会場の江東区森下文化センターに13名のご参加をいただき(顔学会会員10名)、研究発表と作品発表の2本立ての構成で和気藹々と楽しい集いとなりました。

 ご参加いただいた顔学会会員・橋本憲一郎さんに感想を書いていただきました。


第33回美人画研究会 参加の感想 


 幼いころ自分は歌手の西郷輝彦さんのファンで彼のキリリとした目元が羨ましく,自分の一重の細目が何とかならないかと思っていました。後年それが縄文顔と弥生顔の違いだと知り,以来「縄文顔と弥生顔」は私の気になるテーマのひとつです。そんな理由もあって今回の美人画研究会,「推し」の顔と縄文顔・弥生顔を関連づけるという共同研究に参加してみました。

 私は毎日似顔絵を描いているので顔の判別については自信があります。縄文顔と弥生顔の判別も簡単だろうと思っていました。しかし状況は違いました。自分の頭の中にあるのは教科書にある典型的な縄文顔弥生顔なので,それらがよく混ざり合った顔の判定は柔道の微妙な判定のように難しいのです。ところが美人画研究会の皆さんは良く研究されており、流れるように持論を展開されていました。脱帽です。

 それにしても縄文顔か弥生顔かの議論は楽しいですね。どちらのタイプの顔が好きかというテーマはもしかしたら気を悪くする人がいるかもしれず,遠慮がちになりそうなものですが、縄文顔か弥生顔かについてはあまり否定的な人に会いません。その議論はレアチーズケーキとベイクドチーズケーキのどっちが好きかと同じぐらい参加しやすく,罪は無いようです。これはそれぞれのタイプが家族や兄弟姉妹の中でも混在するぐらい日本人に深く根付いているうえ、その良し悪しが均衡しているからでしょう。

 兄弟姉妹の中で混在ということに関しては、姉妹の顔を比較すると「姉は弥生顔寄り,妹は縄文顔寄りが多い」という説があるそうです。松永先生のAIを使った研究の発表によると,姉妹10組のうち9組がそうだったといいます。この90%の確率というのは現代の天気予報が当たる確率をも上回る数字で,放ってはおけない気がします。遺伝子によるものか,育てられ方の違いか、その要因は色々考えられますが,まずは,その「姉の方は弥生顔寄り…」が単なる説でないことをサンプル数を増やして確かめる必要があるでしょう。こう思う私の孫娘姉妹は,見事に姉:弥生、妹:縄文です。

 このような勝手なことを考えているうちに研究会も終わりに近づき,ホワイトボードに美人画研究会の皆さんの全作品が貼られました。眺めていると「昭和平成の推し×縄文弥生」の文脈が見えてくるような気がしました。それは何かと尋ねられても(気がしただけなので)答えられませんが,一つだけ,ひとりの参加者の結論として「平成以降の推しの中心は北川景子さんらしい」ということを報告しておきます。

 美人画研究会の皆様,参加させていただきありがとうございました。

(似顔絵研究家 橋本憲一郎)


★8月6日(火)の「顔学オンラインサロン」にて、美人画研究会が話題提供させていただきました。今回の第33回研究会と、3月の第32回研究会の内容を併せ、「縄文顔と弥生顔」

「時代が求める『推し』の顔」について発表させていただきました。





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