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プリントシール機を通して見る若年女性の顔文化

化粧文化研究者ネットワーク研究会報告(第63回) 

第63回研究会 

「プリントシール機を通して見る若年女性の顔文化 」 

日時:2023年7月1日(土) 

講師:小林潤一氏(フリュー株式会社 プリントシール機事業部 企画開発部 技術開発課) 

 

本研究会ではフリュー株式会社を訪問し,プリントシール機を体験し,その技術開発を担っている小林潤一氏からお話を伺った。 

プリントシール体験では,最新のプリントシール機を体験させていただいた。プリントシール機で遊ぶ体験は大変面白く何度もメンバーを入れ替えながら撮影した。筆者はプリントシール機で撮影するのは十数年ぶりだったこともあり,初期設定の仕上がりでも十分に盛れていると感じた。しかし,プリ現役世代の学生参加者の様子からは,落書き機能の顔補正のこだわりが強く,その機能を使いこなして「盛り」を最適化していた様子が印象的であった。 

講演では,はじめに,プリントシール機の仕組みを説明いただき,次いで,撮影と画像処理のこだわりを中心にお話をいただいた。照明の配置は顔を魅力的に見せるためのノウハウの塊であること,開発者によって社内でもスタイルや個性が出ることについて教えていただいた。画像処理に関しては,多くの場合に目の拡大などに着目されがちだが,繊細な画像処理を重ねてプリントシールは出来上がる。その過程の一端をご説明ただいた。画像処理のしやすさを見据えて個人差を埋めつつも,個性を残す絶妙なバランスが求められていること,ユーザーである若者世代が「500円を払って遊ぶ価値」を作るための仕組み作りは大変興味深い視点だった。 

ディスカッションでは,これからのプリントシール機の展開などに関する議論が行われた。現在のプリントシールは若者世代の文化である。中心的ユーザーである若者世代の人口が減少するなか,プリントシールの文化的な「文脈」から一旦離れた人や文脈を共有しない外国人などをどのように取り込み,価値づけしていくかは興味深いテーマだと考えられた。 

当日の会場では,北山晴一代表以下,世話人と参加者が集まった。また,終了後も小林氏を囲んで懇親会を行ったが,そこでもプリ機に関する話題や撮ったプリの見せ合いで話題が持ちきりで,大変楽しく遊んで学べる充実した研究会となった。 

(木戸彩恵) 

 

*化粧文化研究者ネットワーク研究会では、毎回多岐にわたるテーマ・内容で研究会を行っています。第64回研究会は、9月19日に顔研究家の池袋絵意知氏を講師として、「観相学から顔学へ。人類と(私)の顔研究の歴史を振り返る。」というタイトルで行われます。ぜひ、みなさまもお気軽に今後の研究会へご参加ください。(米澤泉) 

 



 

 

JK気分で「プリ」を撮る化粧文化研究者ネットワーク世話人たち。 

 

 

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